出生地主義
アメリカ、ブラジル、カナダ、オーストラリア等は出生地主義を採用し、その領土内で生まれた子どもは、その国の国籍を取得します。
血統主義
出生時の国籍取得について、親の国籍を承継する方式を血統主義といいます。父母の両方の血統によって国籍取得が可能な父母両系血統主義といい、父親が自国民である場合のみ子に自国国籍を付与する方式を父系優先血統主義といいます。ただし、国外で子どもが生まれた場合は、本国と国外で生まれる子どもの国籍の取り扱いが違う場合があるので、子どもを国外で出産する場合は、自国の大使館領事館で国籍について確認が必要です。
国籍留保制度と国籍の選択
- 国籍法2条には、出生による国籍の取得について「出生の時に父または母が日本国民であるとき」と定められており、父母のいずれかが日本人であれば、子どもは出生と同時に日本国籍を取得します。
- 例えば、日本人夫婦が夫の仕事でアメリカへ赴任し、アメリカで子どもが生まれた場合は、その子はアメリカ国籍を取得します。しかし、国籍は原則一つの基本的理念から、国籍法12条で、外国で出生し外国籍と日本国籍を二重に取得した子どもに対し、日本国籍を保持するためには、出生後3か月以内に国籍留保の届出をしなければ、出生時にさかのぼり日本の国籍を喪失します。
- そのため、両親がアメリカの日本大使館・領事館に出生届を届け出る際、同時に日本の国籍留保の届出をしその子の日本国籍も取得しておく必要があります。
- 国籍法14条において、国籍の選択について定められており、外国籍を取得した年齢が20歳以前であれば22歳に達するまでに、その時が20歳に達した後であるときはその時から2年以内に、いずれかの国籍を選択しなけばならないと規定されています。
国籍再取得の届出
- 海外で出生した子どもについて、出生によって日本国籍のほかに外国の国籍も取得した子について、出生の時から3ヶ月以内に届出を行うべき国籍留保届を失念し、子どもが日本国籍を喪失した場合、20歳に達するまでの間に、日本国内に住所地を有することにより、国籍再取得の届出を行えば日本国籍を取得することができます(国籍法17条1項)。ここで重要なのが、その子が日本に生活の基盤たる住所を有することが要件となっており、一時的な親族訪問等では認められないことです。すなわち、子が海外に住んでいる限り、国籍再取得の手続きを行うことはできません。また、届出による後天的な国籍取得になるため、出生より取得した母親と同一の国籍を失うおそれがありますので、ご留意ください。
- 国籍再取得届は、子どもの住所地を管轄する法務局が窓口になります。届出人は子どもが15歳以上の場合は本人、15歳未満の場合には法定代理人(父母)がなります。
- 戸籍謄本
- 子どもの出生証明書
- 住民票の写し
- その他
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