家族滞在
- 家族滞在の在留資格は、就労系(「技術・人文知識・国際業務」、「技能」、「企業内転勤」、「経営管理」など)在留資格や非就労系(留学など)在留資格の外国人より扶養を受ける家族(配偶者・子(養子も可))が日本に在留し、配偶者・子として行う日常的な活動が該当します。(親や内縁の妻や夫は含まれません。)
- 例えば、タイ料理店で働くコックの妻と子は、「家族滞在」の在留資格の申請をします。
- 扶養を受ける外国人の配偶者又は親が扶養する意思を持っており、かつ、扶養できるだけの収入があることが必要です。配偶者が同居を前提として現時点で扶養者に経済的に依存している状態(dependent)であることが必要で、経済的に独立している場合は家族滞在の在留資格に該当しません。子供については、親の監護養育を受けている必要があります。
- 配偶者や子として行う日常的な活動には、家事に従事する活動や、教育機関において教育を受ける活動等が含まれます。
- 在留期間は、基本的に本体の就労系在留資格と同じ期間となります。例えば、本体がコック(技能)で3年ビザであれば妻と子も3年ビザがもらえます。
- 注意事項としては、資格外活動許可の上限である週28時間を超過して働く場合、夫の技能ビザにまで影響を及ぼすおそれがある点です。そのため、この上限をしっかり守ってください。
- 他方、身分系(日本人の配偶者等、永住者など)在留資格の実子は「定住者」の在留資格になります。この場合、未成年者が対象となります。
家族滞在の妻のパート収入と税金・社会保険の関係
- 例えば、「企業内転勤」の在留資格で外資系企業で働く外国人の妻が「家族滞在」の在留資格で来日し、パートで働くケースを考えてみます。資格外活動の許可を得ると、週28時間内で働くことが可能になります。
- 現在は、パートでの年収が100万円を超えると住民税の課税が発生し、103万円を超えると所得税の課税対象となります。
- なお、平成30年から配偶者特別控除が拡大され、妻の年収が150万円以下であり、かつ、夫の年収が1,120万円以下であれば、夫は配偶者特別控除として38万円の所得控除が受けられるようになりました。しかしながら、妻自身に対しては年収が103万円を超えると所得税が課税されることについて変更はありません。
- さらに130万円を超えると、夫の健康保険の利用ができなくなるため、妻が勤務先で社会保険に加入するか、自分で国民健康保険と国民年金に加入しなければならなくなります。妻のパートの時給が時給1,500円程度あれば、たとえ週28時間以内の労働であっても、年収200万円に到達する可能性があります。
- 妻が健康保険の被保険者ではなくなった場合においては、週28時間以内の範囲の労働時間であればそのことを理由として「家族滞在」の在留資格に影響を与えることはありません。
- ただし、妻がフルタイムで働くようになり、夫の扶養から外れたときは、大卒以上の学歴や職歴があれば「家族滞在」から「技術・人文知識・国際業務」などの就労系在留資格に変更します。
必要書類(日本に招へいする場合)
1 在留資格認定証明書交付申請書 1通
2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉3 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、392円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
4 次のいずれかで、申請人と扶養者との身分関係を証する文書
(1) 戸籍謄本 1通
(2) 婚姻届受理証明書 1通
(3) 結婚証明書(写し) 1通
(4) 出生証明書(写し) 1通
(5) 上記(1)~(4)までに準ずる文書 適宜5 扶養者の在留カード(在留カードとみなされる外国人登録証明書を含む。)又は旅券の写し 1通
6 扶養者の職業及び収入を証する文書
(1) 扶養者が収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行っている場合
a. 在職証明書又は営業許可書の写し等 1通
b. 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
(2) 扶養者が上記(1)以外の活動を行っている場合
a. 扶養者名義の預金残高証明書又は給付金額及び給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書 適宜
b. 上記aに準ずるもので、申請人の生活費用を支弁することができることを証するもの 適宜※必要に応じ、上記以外の書類も提出します。