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認知された子の国籍取得(国籍法3条1項)

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認知された子の国籍取得(国籍法3条1項)

平成20年12月に公布された「国籍法の一部を改正する法律」により、出生後に日本国民から認知された子も、父母の婚姻の有無を問わず、所定の条件を備えるときは、法務大臣に届け出ることによって日本の国籍を取得することができるようになりました。それ以前は、出生後に日本国民である父から認知されただけでは、届出による国籍取得の制度の対象外とされており、出生後に父母の婚姻およびその認知による準正によって嫡出子の身分を取得した実子について、認知した父が子の出生時に日本国民であることなどの条件の下に、法務大臣に対する届出により日本国籍を取得することができるとされていました。

国籍法3条1項

父又は母が認知した子で20歳未満のもの(日本国民であった者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であった場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であったときは、法務大臣に届け出ることによって、日本の国籍を取得することができる。

日本国籍を取得するための要件

①父又は母が認知したこと

  • 実質的に、日本国民である父が出生後に認知した子であることが必要です。
  • 日本国民である父が認知したという要件は、通則法の定める準拠法によって決定します。
  • 認知は、①子の出生の当時若しくは認知の当時に認知する者の本国法または②認知当時の子の本国法のいずれの法によってもすることができる。
  • ただし、上記①の認知する者の本国法による場合は、子の本国法がその子または第三者の承諾又は同意を条件とするときは、その条件をも備えなければならない(これを子の本国法上の「保護要件」という)。(通則法29条
  • 胎児を認知する場合の胎児の本国法については、子の本国法を母の本国法と読み替えて適用する。
  • 形式的成立要件は、認知の成立の準拠法によるほか、行為地法に適合する方式によることもできる(通則法34条)。
  • したがって、認知の方式は、①子の出生当時若しくは認知当時の認知する者の本国法、②認知の当時の子の本国法又は③行為地法のいずれによることもできる
  • 父の本国法による場合にも、認知の当時における子の本国法による保護要件を備えている必要があります。
  • 日本人父が外国人の子を認知する場合には、認知の成立要件につき日本の民法を適用します。すなわち、認知をする者が血縁上の父であることが必要です。

②子が20歳未満であること

③認知をした父が子の出生時に日本国民であったこと

④認知をした父が現に日本国民であること又はその死亡の時に日本国民であったこと

⑤子がかつて日本国民であった者でないこと

  • 出生後に日本国民から認知された子の国籍の取得は、法務大臣に届け出ることによって、その効果を生じます。
  • 法務大臣に対する国籍取得の届出は、国籍を取得しようとしている者が日本に住所を有するときは、その住所地を管轄する法務局の長を経由して、外国に住所を有するときは、その国に駐在する領事官を経由して、法務大臣宛にします。

国籍取得届の添付書類

①認知した父又は母の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書

②国籍を取得しようとする者の出生を証する書面

  • 出生を証する書面:出生証明書、出生届書の記載事項証明書、分娩の事実が記載された母子健康手帳など
    (国籍を取得しようとする者が20歳未満であることを、生年月日から確認するため)

③認知に至った経緯等を記載した父母の申述書

④母が国籍の取得をしようとする者を懐胎した時期に係る父母の渡航履歴を証する書面

⑤その他実親子関係を認めるに足りる資料

  • 外国の方式による認知証明書
  • 事件本人の父の日本における居住歴を証する書面(母が事件本人を懐胎した時期からのもの)
    ⇒戸籍の附票の写し又は住民票の写し等を添付する
  • 事件本人及びその母の住民票に登録された事項に関する証明書
    ⇒住民票記載事項証明書又は住民票を添付する
  • 事件本人とその父母3人が映った写真

虚偽の届出に対する罰則

  • 国籍法20条1項において、国籍法3条1項の規定による届出をする場合において、虚偽の届出をした者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処すると定められています。
  • また、国籍法20条2項において、国外犯をも処罰する旨が定めれています。
  • 当該処罰の対象になる者は、国籍法3条1項の規定による届出を行う場合において、虚偽の届出をした者であり、具体的には、血縁上の父子関係がないにもかかわらず認知がされた等認知に虚偽があった場合のほか、国籍を取得しようとする者が年齢を偽ってその届出をした場合等についても、処罰の対象とさせています。
  • 上記の罰則規定とは別に、刑法第157条1項の公正証書原本不実記載罪が成立します。

 

 

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記事の執筆者

989841

代表行政書士 深田秀樹
2013年4月 行政書士深田国際法務事務所設立 
国際結婚と配偶者ビザ専門の行政書士として10年以上活動する

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