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在留資格申請と税務

入管申請の審査において申請人の納税義務の履行は極めて重要な判断要素となっています。すなわち、「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」や「永住許可に関するガイドライン」において、納税義務の履行の有無が審査の中の代表的な考慮要素のひとつに挙げられています。納税義務の不履行が判明した場合、例えば、在留期間の更新において消極的に評価されたり、永住申請においては不許可処分がなされています。

在留資格変更と在留期間更新

在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

6. 納税義務を履行していること

納税の義務がある場合には、当該納税義務を履行していることが求められ、納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合は、納税義務を履行していないと判断されます。なお、刑を受けていなくても、高額の未納や長期の未納などが判明した場合も、悪質なものについては同様に取り扱います。

審査において、特に重要な資料が、市区町村より発行される住民税課税証明書と住民税納税証明書です。住民税は、収入のあった翌年度に課税されます。例えば平成30年分の住民税の証明書は、平成29年1月1日から12月31日までの所得が記載され、住民税の課税額は、前年の所得(平成29年1月1日~12月31日)をもとにして、5月か6月(平成30年5月か6月)に決定されます。

在留期間の更新申請を、例えば、平成30年1月から4月に行う場合には、住民税の課税証明書と納税証明書は平成28年分の所得に対する平成29年分の住民税額の証明となります。この場合、住民税の課税証明書では平成29年の所得の記載がないため、代わりに平成29年分の給与所得の源泉徴収票を提出し、平成29年分の所得額を報告します。自営業等のため確定申告を行っている場合には、確定申告書(所得税及び復興特別所得税)の控えを提出します。

住民税納税証明書によって納税の未納や滞納がないかが確認されます。特別徴収の場合は給与から住民税が天引きされるため問題になりませんが、自分で住民税を支払う普通徴収の場合は、期限内に必ず納税を済ませ、未納や滞納がないように十分注意する必要があります。

なお、特別徴収については、6月から翌年5月までの12ヶ月において、会社等の特別徴収義務者が毎月の給料から住民税を控除し、給料支払日の翌月10日までに市区町村に住民税を納付します。

例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合や、高額の未納や長期間の未納が発覚した場合には、その様態により、在留資格変更や在留期間更新が許可されなかったり、許可された場合でも付与される更新期間が1年に短縮されたりする可能性があります。

永住許可申請

永住許可に関するガイドライン

3. その者の永住が日本国に利益に合すると認められること

納税義務等公的義務を履行していること

例えば、納税申告は適正に行っているが、納税に未納がある場合は、公的義務を履行していないとみなされます。しかしながら、特別徴収による住民税等の未納がある場合は、それを理由に公的義務を履行していないとはみなされません。健康保険料に未納・滞納がある場合にも、公的義務の不履行とみなされ、永住申請は不許可になります。年金について、未加入や未納が判明した場合は不許可になる可能性があります。

なお、令和元年5月31日に公表された永住許可に関するガイドライン改訂より、国益適合要件における公的義務の履行について、納税に加え、具体的に公的年金及び公的医療保険の保険料の納付を適正に履行していることが明記されました。それに伴い、現在では、公的年金や健康保険の保険料を遅延なく完納しなければ、永住許可が困難になりました。

永住許可申請時の添付書類に関しても、現在では公的年金及び公的医療保険の保険料の納付に係る立証資料の提出が求められています。

まとめ

以上のように、納税義務の履行は、入管申請において極めて重要な判断要素となっており、未納や滞納が判明した場合には消極的な評価がなされたり、不利益処分がなされる恐れがあります。とくに、勤務先の廃業等により離職を余儀なくされ納税義務等公的義務の履行ができなくなった場合には、在留期間の更新の際にその旨を書面で説明しフォローする必要があります。

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代表行政書士 深田秀樹

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